DNA修復 | 群馬大学 柴田研究室
群馬大学昭和キャンパス
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研究成果

2021.10 勝木(京都大学)の研究成果!!

●今回の研究で何を発見したのですか?
ファンコニ貧血(FA)は造血不全や奇形、好発がん性が特徴の重篤な遺伝病で、DNAクロスリンク修復に必須の遺伝子群の変異によって発症します。今回の研究では、FA原因遺伝子SLX4/FANCPの修復機能を制御する分子をスクリーニングで探索しました。SLX4の損傷部位へのリクルートに必要な、ユビキチン結合ドメイン(UBZ4)を含むN末端アミノ酸配列とsiRNAライブラリーを用い、E3ユビキチンリガーゼRNF8, RNF168をかいしたユビキチンシグナル経路が重要であることをあきらかにしました。

●この研究成果は社会にどんな影響を与えますか?
SLX4はこれまで、canonicalなFA経路の下流でモノユビキチン化FANCD2によってリクルートされるとのモデルが根強く支持されてきました。今回の成果で、RNF8, RNF168依存的にユビキチン化される基質や、未知のユビキチン化経路が介在する可能性が示され、造血系を守るあらたな分子メカニズムを提唱しました。

●研究者から一言(勝木)
多くの共同研究者や、サポートしてくださる人々に感謝をわすれず、研究を進めていきます。

2020.6 香崎(産業医大)の研究成果!!

●今回の研究で何を発見したのですか?
希少疾患RTS(Rothmund-Thomson Syndrome)関連遺伝子RECQL4を欠損するがん細胞で、大きな欠失を引き起こすSSA(single-strand annealing)経路が特異的に活性化することを発見しました。そこで、低濃度(~1 uM)のSSA因子RAD52阻害剤を処理すると、RECQL4欠損がん細胞特異的に抗腫瘍効果を認めました。次に、BALB/c-nuマウスに、WT及びRECQL4欠損ヒト大腸がんHCT116細胞を移植して、約1.5杯分の緑茶含有量に相当するRAD52阻害剤のEGC(Epigallocatechin)をマウスに経口投与したところ、RECQL4欠損がん細胞特異的に有意な抗腫瘍効果が認められました。

●この研究成果は社会にどんな影響を与えますか?
DNA修復エラーが大きいSSA経路だけが特異的に亢進するがん細胞は、これまで知る限り報告がないと思います。今回の成果から、RECQL4欠損がん細胞はマウス実験でも非常に低い濃度のRAD52阻害剤に対しても高感受性を示すことから、このがん細胞を利用して、毒性・副作用の少ない抗がん剤の開発が可能だと考えています。将来的には、抗がん剤の副作用によるQOLの低下を軽減することに貢献できるかもしれません。

●研究者から一言(香崎)
50年以上の歴史があるDNA修復・複製分野でも未知なことが多く、興味や疑問を掘り下げることで、新しいことが分かってくることが研究の面白さだと思います。

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