奥村 光遥さん(D1)が筆頭著者の論文が、DNA Repair誌(IF: 3.0)の2025年の1月号に掲載されました!おめでとうございます!
DNA Repair誌は、DNA修復業界において長い歴史があり、世界各国の研究者に広く認知されている学術誌です。その前身であるMutation Research/DNA Repair誌は1964年に創刊されています。2000年頃から、DNA修復研究では分子生物学的解析が多くなり、DNA修復の研究に特化した雑誌を作るために、DNA Repair誌として2002年に創刊されました。現在、DNA Repair誌のChief Editorは、柴田のイギリス時代の上司であるProf. Penny Jeggoが務めています。
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研究内容としては、超高解像蛍光顕微鏡を使って、100ナノメートルという超ミクロなスケールでクロマチン構造を可視化することで、DNA修復応答において中心的な役割を果たすgH2AXフォーサイの形状を詳細に解析しています。細かい研究内容については、奥村さんが書いたGDN研究成果の記事をご覧ください。(GDN研究成果の記事はこちら)
本論文は、奥村さんにとって初めての筆頭著者の論文となります。2023年の7月頃から開始したプロジェクトですが、持ち前の継続力と忍耐力で、普通は諦めてしまうような大量の解析を、毎日毎日、休憩時間すら惜しんで、数か月間継続することで、MeCP2という分子がgH2AXフォーサイ構造に果たす役割を解明しました。石の上にも三年を、半年で成しえたような論文です。論文の執筆、Revision、Author proofまで、様々な研究経験を重ねることができ、奥村さんが研究者としての第一歩を踏み出すことになる重要な論文になったと思います。今後のさらなる成長に期待です。改めておめでとうございます!
MeCP2 deficiency leads to the γH2AX nano foci expansion after ionizing radiation
DNA Repair, Volume 145, January 2025
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